経営者に、休みはあるのか——僕の「休みの日」の話
2026-08-06

サラリーマンの方が聞くと、たぶんびっくりする話をします。
経営者って、正直、休みがないんですよ。
いや、暗い話じゃないんです。むしろ逆で。僕は今、そっちのほうが好きなんですよね。今日はその話をさせてください。
休みと仕事が、グラデーションになってる
まず、感覚を正直に言うと。休みと仕事の境目が、ないんです。
オンとオフがパチッと切り替わるんじゃなくて、あいだがグラデーションになってる。休みなんだけど仕事、仕事なんだけど休み。そういう時間の中で生きてます。
たとえば——ご飯を食べに行くとき。
僕は、うちに食べに来てくれるお店の方のところや、知り合いのお店に行くようにしてます。
そうするとね。今度、その店の人が、うちにラーメンを食べに来てくれるんですよ。
つまり僕にとって、**外食は「食事」じゃなくて「お店の紹介活動」**なんです。晩ごはんが、営業になってる。

ガソリンスタンドの話をさせてください
いちばん分かりやすい例が、これです。
僕、ガソリンを入れるとき——無人のセルフには、行かないんですよ。
わざわざ、店の近くの、人がいるガソリンスタンドに行きます。で、人に入れてもらう。
なんでか。そこで挨拶をして、ちょっと世間話をするからです。
そうするとね。そのスタンドのスタッフさんが、仕事終わりに、うちにラーメンを食べに来てくれるんですよ。
セルフのほうが、安いし、早い。でも僕は、そっちに行かない。数円の差より、そこで生まれる会話のほうが、うちの店にとって価値があるから。
……こういうこと、考えてる人ってあんまりいないと思うんですよね。でも僕は、こういうことを毎日考えて生きてます。経営者って、けっこうすごいんですよ(笑)。
休みの日も、結局お店にいる
じゃあ、いわゆる「休みの日」は何をしてるか。
結局、店に行ってます。
ちょっと掃除したり、ちょっと仕込みをしたり。1時間か2時間、顔を出す。それで帰る。——だから、休みのようで、休みじゃないんですよ。
買い物もそうです。何かを買うとき、わざわざ知り合いのお店まで行く。近くて安いところがあっても、そっちには行かない。
こう書くと、「え、それって休んでないでしょ」って言われるんですけどね。まあ、そのとおりです(笑)。
でも、ここが大事なんですけど
ここでね、ひとつだけ言わせてください。
僕は、これを**「つらい」と思ってやってるわけじゃない**んです。
正直に言うと——こういう生き方をしてない人に、負ける気がしないんですよ。 追いつかれる気も、しない。
だって、僕が飯を食ってる時間も、ガソリンを入れてる時間も、ぜんぶ店につながってるわけです。一日24時間、店のことを考えてる人間と、そうじゃない人間。長い目で見たら、差がつくのは当たり前じゃないですか。
これは、経営者っていう、ちょっと特殊な生き方なんだと思ってます。誰にでも勧められるものじゃない。
でも僕は——むしろ今は、こっちのほうが好きです。
……と、ここまで言うとね、こう思いますよね
自分へのツッコミも書いておきます。
「それ、ただのワーカホリックでは?いつか燃え尽きますよ」
これはね、まっとうな心配です。実際、休まない生き方が体を壊すのは、そのとおりだと思います。
ただ、僕の中では区別があって。**「やらされてる」んじゃなくて「やりたくてやってる」**んですよ。ここが違うと、同じ時間でも疲れ方がまったく違う。
前の記事で、僕は「朝7時から深夜1時」の働き方を「9時半上がり」に変えた話を書きました。あれは、体力を削る作業時間を減らした話です。今日の話は、自分で選んでやってることが増えた話。似てるけど、逆なんですよ。
削ったのは「やらされてる時間」。増やしたのは「やりたくてやってる時間」。僕にとっては、ここがぜんぜん違うんです。
「そういう働き方、人に強要してませんか?」
——これは、絶対にしないと決めてます。
僕がこうやって生きてるのは、僕が経営者だからです。リスクを背負ってる人間の話であって、うちで働いてくれてるスタッフに同じことを求めるのは、完全に筋違いなんですよ。
だからうちのスタッフには、シフトの時間で帰ってもらいます。休みたい日は休んでもらいます。この記事を読んで「経営者はこうあるべきだ」と思うのは自由ですけど、「従業員もこうあるべきだ」は、間違いです。そこは、はっきり分けておきたい。

それでも、これが僕の生き方です
休みと仕事が、混ざってる。
飯を食うのも、ガソリンを入れるのも、買い物も、全部どこかで店につながってる。休みの日も、なんとなく店に行く。
——他の人から見たら、変な生き方かもしれません。
でもね。この生き方を選べるのって、自分の店を持ったからなんですよ。
雇われ店長だったころは、休みは休みでした。オンとオフがきっちり分かれてた。それはそれでラクだったけど、あのころの僕は「一生このままか」と思って苦しかったんです。
今は、境目がない。でも、苦しくない。
だから、これはこれで、いいんだと思ってます。